Sandy's /Prom ('15)

 

 公園のベンチに座ってぼーっと考え事をしているとき、ふとその場にある自然と自分の体が繋がっているのを感じることがありませんか?草花が風に吹かれて揺れると、自分も揺られているような気分になる。そういうときです。Sunday’sの音楽はこの時に覚える感覚にとても似ています。ジャケットに象徴されるように、まるで全ての自然に向けて音が作られている。だから、いつどこで聴いてもその音色は風景のなかで混じり合い、そして僕らの耳のなかで優しく溶けていくのです。 

 

 Sunday’sはサンフランシスコ在住のAlexi Glickmanという人物を中心としたユニットで、現在はこの12ichの他にもLPを1枚リリースしています。

 

 僕がこのレコードを知ったのは、ある川の土手沿いにあるレコード屋さんでした。そこで「売れ切れちゃってるんですけど、このレコードが最高なんです」と店主さんがターンテーブルに乗せてくれたのが出会い。少しの無音の後に針を伝ってスピーカーから流れてきた「Consolidated Identity」は、広々とした店内に響き、そしてドアから流れ出し、秋の夕暮れの日差しに包まれて穏やかな黄金色に輝く土手の草々と溶け合い、やがて僕のなかにある余白のなかへすっと入ってきたのです。今まで色々なレコードを聴いてきましたが、ここまで「自然」な音色を持つものにはあまり出会ったことがなかったので、本当に驚かされました。あのときの光景はいまでもすぐに思いだせます。いや、ほんとうに幸せだったな。幸せってああいうことをいうんだよな。