EZTV/Calling Out ('15) CT226

 

 EZTVのレコードを聴いていると、ボーイ・ミーツ・ガールの青春映画によくあるシーンを思い出します。それは学校主催のダンス・パーティ。だいたいそこにはバンドがいてアップ・テンポの曲からスローな曲までを演奏して、意識しあっている2人の関係を盛り上げたりします。そのバンドで主人公とクラスに馴染めていない友達たちが結成したバンドが女の娘を振り向かそうと演奏している姿でもアリですね。でも、そういった映画のバンドって学生バンドのわりには演奏がうま過ぎたり、メロディに素人とは思えないセンスがあったりしてどうもリアルに感じられません。でも、EZTVにはそういった青春のリアルがあります。

 

 彼らはニューヨーク、ブルックリンを拠点としているスリーピース・バンドです。ギター、ヴォーカルのEzra Tenenbaumを中心に結成され、活動するうちにMac DeMarco、DIIVなどが所属していることで有名なCaptured Tracksに見出され昨年デビューしました。今年にはセカンド・アルバムもリリースしてそちらも良い感じに仕上がっています。

 

 煮え切らずに突如終わるアウトロー、BPMの高い曲でも走り切らない疾走感を失った感じ、少ない音色に工夫を加えてローファイな曲に個性を出しているところ。そういった姿勢が日の光が反射する穏やかな海を眺めているようにとても眩しくて、そして少し反抗的にも感じられて(その反抗は煮え切らず表には出てこないけど)。僕には彼らのすべてが甘酸っぱく、そして愛おしく思えるのです。全ての過ぎ去る青春のなかにいるボーイズ&ガールズたちの日常のそばにそっと置かれていてほしい。そしてさり気なくその日常のBGMとして流れていてほしい。そういうレコードです。