BADBADNOTGOOD / Ⅳ(’16):IL2034

 

 

 このジャケットを見る度に"ナード"という言葉が頭に浮かびます。バスタオル姿で肩を組み、筋肉質という言葉を忘れされるシルエットを露わにする4人の男の姿。一人は眼鏡をかけ、もう一人に至っては目を瞑っていて…そして画像の解析度が低い。見事なほどナードな佇まい。まるで修学旅行でクラスの少し地味な少年達が、修学旅行中にイヴェントのテンションに任せて撮った写真のようです。

 

 BADBADNOTGOODは2010年にトロントで結成され、デビュー当時はトリオで活動していました。今年に入ってからサポート・メンバーを務めていたサックス兼マルチ奏者のLeland Whittyが加入しカルテットとしての活動を始めています。これまでに無料配信やGhostface Killahとの共作などを含め多数のアルバムを発表しており、先日には渋谷WWWで2日間にわたってライヴを行ない、勢いのある演奏とユーモア(素敵なダンス)で好意的に受け入れられたようです。

 

 『Ⅳ』はそんな彼らが今年の7月に発表したアルバム。本作で展開される彼らのサウンドは、ジャズとクラブ・カルチャーが混ざり合う現代ジャズを基盤としながらも、現在USで活躍している現代ジャズ・ミュージシャンにはない思い切りの良い疾走感、そしてサイケデリックに彩られた風景があります。そして、それがジャズやクラブ・ミュージック、ロックにも当てはめることのできないオープンマインドなサウンドとして彼らの個性となり、そのアイテムを使いこなす彼らの姿からは、純粋に音楽を楽しんでいる姿勢が伝わってくるのです。その結果、音楽が持つ本来の自由を獲得しジャンルという枠組みを外すことに成功し、KAYTRANADAやColin Stetsonの参加、そして各国のジャズ・チャートで1位を獲得するなど、多くの人々の耳を魅了しているのでしょう。その事実こそがBADBADNOTGOODを今年注目すべきミュージシャンの一つとして挙げたくなる要因です。中身のあるナードな人の話って、けっこうおもしろいですよね。